胃カメラ検査とは
胃カメラとは、食道・胃・十二指腸の粘膜を柔軟性のある電子スコープを用いて直接観察する検査です。モニタテレビに映像を映し出し、疑わしいが部位があった際には、組織を採取して確定診断を行います。
現在では、鼻から検査することのできる経鼻内視鏡検査や、鎮静剤を用いた検査など、患者様の苦痛を軽減させる方法が確立されているため、胃カメラ検査が苦手な方でも安心して検査を受けていただくことができます。
当院の胃カメラ検査の特徴
【1】EVIS EXERA Ⅲ(2018年)導入
経鼻内視鏡初のハイビジョン画質を実現したオリンパスの EVIS EXERA Ⅲ(2018年1月25日販売)を導入しました。
苦痛がなるべくないように丁寧な内視鏡操作を心がけています。
NBI(Narrow Band Imaging=狭帯域光観察)・色素散布を用いた丁寧な観察を心がけます。
NBIとは
特殊な青と緑の光を用いて、粘膜表層の微小血管、粘膜微細模様の強調表示を実現します。
通常観察では見えにくかった癌などの微小病変の早期発見に繋がることが期待されています。
通常は検査時に空気を入れて観察しますが、当院ではCO2(二酸化炭素ガス)を使用します。(下記をご参照下さい。)
検査時あるいは検査後のお腹の張りがかなり軽減できます。
当院での上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)の方法としては3通りあります。
- 経鼻内視鏡
- 経口内視鏡
- 鎮静下内視鏡
の3つです。
動画
「動画提供:オリンパス株式会社提供」
【2】「オエっ」となりにくい、鼻から受ける胃カメラ
鼻の麻酔をし、鼻腔から細い内視鏡スコープを入れて観察します。スコープが細いため、咽頭部を通過する際の苦痛はかなり軽減出来ます。またカメラが舌のつけ根を通らず、のどにも触れないので「オエっ」となりにくいのです。
デメリットとしては経口用スコープより画質がやや劣るところと、胃内容物の吸引力があまり無く、丁寧な観察をしようとするとやや時間がかかる、ということです。しかし、この春(2018)導入した新しい経鼻内視鏡スコープ(オリンパスの EVIS EXERA Ⅲ、2018年1月25日販売)は、経鼻内視鏡初のハイビジョン画質を実現したものであり、画質のクオリティが高く、今までの経鼻内視鏡とは違います。これまで患者様に経鼻内視鏡検査はあまり勧めてはいなかったのですが、今は自信を持ってお勧めする事ができます。
*鼻の病気があったり、鼻腔が狭い方にはおすすめしません。
● 確実な挿入ルートの確認 検査前にペンライトを使用して簡単な鼻腔の観察をし、左右どちらの鼻腔から挿入するのが適当かを判断します。
● 確実で丁寧な鼻腔麻酔 特殊な鼻腔麻酔用に開発されたシリコン製の柔らかいスティックを使用し、挿入ルートの鼻粘膜を確実に丁寧に麻酔します。
【3】口からの胃カメラ
咽頭麻酔をし、経鼻内視鏡スコープよりは太いスコープを経口的に挿入します。画質は経鼻より良いですが、以前の内視鏡と比べて差は小さいように思います。経鼻スコープとは違いスコープがたわみにくく、スコープの操作性がよいです。その分観察の精度や生検検査の精度(より正確な生検)が上がることはあると思います。胃内容物の吸引のスピードが速く、経鼻に比べ、検査スピードは若干上がるように思います。経鼻内視鏡よりは咽頭部通過時の苦痛はあるかと思いますが、のどを通過してしまえば力さえ入れなければそれほどの苦痛はありません。一般的には経鼻の方が楽と言えるでしょうが、「鼻から入れられる方が怖い、口からの方が楽」と人によって意見は様々です。実は私も『経口派』です。
*2018年春に上記のように記載しましたが、一年間新しい経鼻内視鏡を使用してみたところ、現在(2019年春)は基本的には経鼻内視鏡をおすすめしております。理由はやはりその画質のクオリティーの高さです。これまでの経鼻内視鏡に比べ、圧倒的に画質がよいです。そして何より苦痛が少ないということです。経口内視鏡は上述のメリットがあるため、鎮静剤を使用したときに使うことが多いです。
【4】眠った状態で受けていただける内視鏡検査
眠った状態で受ける内視鏡検査
点滴をし、眠った状態で受けていただく検査です。鎮静剤を入れて意識レベルを落とすことで、苦痛を感じることなく検査が受けられます。圧倒的に楽に検査が受けれますが、デメリットもあります。
鎮静剤は呼吸を抑制したり、循環動態へ影響するため、ご高齢の方や重い呼吸器疾患や循環器疾患をお持ちの方への使用はしにくいですし、そうではない場合にも細心の注意が必要となります。高齢者では、上記に加え誤嚥や覚醒遅延、転倒などのリスクが高まります。
「心臓や肺に病気があったり高齢であると、鎮静剤を使用して眠った状態で受けることはできないのですか?」
というご質問を受けることがあります。
答えは 「正しく行えば検査可能です!」
当院では酸素投与や点滴などを行い、安全に検査が行えるような体制を整えています。血圧や心電図波形、呼吸状態を適宜確認し、細心の注意を払い検査を行います。検査後はゆっくりリカバリールームで休んでいただきます。
過去に内視鏡検査をしたことがあるけど、もう二度と受けたくない、検査は受けたことはないけど不安、恐怖心から検査を受けられない。そういった方は使用をご検討ください。
当院は、より苦痛の少ない、より精度の高い、より安全で確実な内視鏡治療を目指しています。
『みなさまの安全のため』のお願い
鎮静剤使用から1~2時間は安静が必要です。検査後リカバリールームで休んでいただきます。帰宅可能となったあとも眠気が残り、ふらついたりすることがあります。事故にならないよう十分注意されてご帰宅ください。判断能力も低下しておりますので検査当日は終日運転不可となります。重要な判断を必要とするお仕事などもお控えください。ご高齢の方は可能な限りご家族とご一緒にお帰り下さい。
【5】CO2送気(二酸化炭素ガス)送気
当院では空気より吸収の速やかな二酸化炭素ガス(CO2)を使用しております。
二酸化炭素ガス(CO2)は空気よりも約200倍、腸から血液へ吸収されやすく、息によりすぐに体外へ排出されます。
二酸化炭素ガス(CO2)を使用することで検査時あるいは検査後のお腹の張りがかなり軽減できるため、通常の空気を送り込む検査より楽に検査を受けることができます。
胃カメラでも大腸カメラでも、すべての内視鏡検査に使用しております。
【6】胃カメラ、大腸カメラ同日検査可能
お忙しい方のために、同日に胃カメラと大腸カメラを実施できるようにしました。詳細は外来時にご相談ください。
胃カメラ検査の流れ
Step1予約
①WEB予約
事前にweb予約をとっていただけますとスムーズです。
ご希望の予約日に検査をうけていただくことが可能です。
②直接来院
直接クリニックで予約をとることも可能です。
診察後に予約をお取りします。
直接来院される場合は当日枠がたまたま空いていれば当日検査可能ですが、そうでなければ後日となります。
(緊急性が高い場合や余裕があれば、当日のカメラも行っております。)
Step2検査前日
食事は軽いもので21時までに済ませてください。飲み物に関しても、同様に制限があります。
詳しくは当院スタッフからの事前説明がありますので、その内容に従って食事制限を行ってください。
【ネット胃カメラ検査予約の方へ】ネットからのご予約の方は事前説明が受けられないのでこちらを必ずお読みください。
https://www.clinic-sora.jp/reservation_gastrointestinal_endoscopy
Step3検査当日
検査前夜の夕食は夜9時までに済ませ、消化の悪いものは食べないようにお気をつけください。夜9時以降は、「お茶・水・スポーツドリンク」など透明な飲料以外の飲食は避けてください。
検査日当日は汚れてもよい・ゆったりとした服装でご来院ください。
Step4検査
お時間に余裕をもってお越しください。
鼻からの内視鏡、もしくは鎮静剤を使用して口からの内視鏡検査を行います。
Step5検査後
検査後は、休憩室にてゆっくりとお休みいただけます。
その他の注意点については、当院スタッフより当日ご説明致します。
検査結果や今後のことなど、診察室にて画像を一緒にみてもらいながら説明させていただきます。
鎮静剤を使用した場合は、当日簡単な説明をさせていただき、後日内視鏡画像を用いて詳細に説明致します。
(*鎮静剤を使用した場合は、当日に画像をお見せしても鎮静剤による前行性健忘のために詳細を覚えておくことができません。)
検査結果に伴い、薬が必要であれば処方致します。
胃カメラ検査の費用
胃カメラ料金表
検査(治療)内容 | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 |
---|---|---|---|
胃カメラ検査(観察のみ) | 約1,500円前後 | 約3,000円前後 | 約4,500円前後 |
胃カメラ検査 |
約3,000〜4,000円前後 |
約6,000〜8,000円前後 |
約9,000〜10,000円前後 |
保険適応
- 症状がある(吐き気・胸焼け・呑酸・腹痛・腹部不快感・その他)
- 検査異常がある(貧血や腫瘍マーカー上昇、画像検査異常など)
- ドック・健診・検診などで異常を指摘された
- 胃がんや胃潰瘍・胃炎・胃ポリープなどを指摘されており、定期的な検査が必要とされている。
- 様々な理由で医師が内視鏡検査を必要と判断した
上記以外(つまり必要性がないと判断される場合)は保険適応外となりますのでご注意ください。
胸焼けがする・おなかの不快感など、少しでもご心配なことがあればお気軽にご相談ください。
検査費用
初診料・再診料は別途必要です。
他の検査費用(血液検査など)は含まれておりません。
検査時に使用する薬剤によって金額が前後することがあります。
実際の診療内容によっては料金がかわりますのでご了承ください。
予約フォーム
ネットからのご予約の方は事前説明が受けられないのでこちらを必ずお読みください。
https://www.clinic-sora.jp/reservation_gastrointestinal_endoscopy