❖コラムNo. 8
column
【 内視鏡検査を行う理由 】
みなさま、こんにちは!
『小松おなかとおしりのクリニック広崎医院』副院長の 広崎です。
当院では、おなかの診療はもちろんのこと、胃カメラ検査や大腸カメラ検査といった内視鏡検査にも力を入れておりますが、
皆さまは「内視鏡検査がどうして重要な検査であるのか」をご存知でしょうか?
今までのコラムでは、
●どうやって受診するの?(how)
●何を準備すればいいの?(what)
についてお伝えしてきましたが、
今回のコラムでは、
●「なぜ内視鏡検査をするの?(why)」
について、解説したいと思います。
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内視鏡検査とは
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内視鏡検査の目的
- 内視鏡検査の目的はいくつかあります。
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①症状の原因を見極める
- 何か症状があった場合に、原因が何であるかを正確に把握することは非常に大事です。
- 症状が軽ければ薬で様子を見ることもありますが、症状が比較的強い場合や長く続く場合などは原因を把握した方がよい場合が多いです。
- 結果として薬で治ってしまうようなものであったとしても、治療期間を決めやすかったり、再発を予防する指導がしやすかったりとメリットは大きいですね。
- あまり大きな異常がないことがわかれば、安心に繋がり無駄な心配をしないで済みます。
- もしくは大きな異常が見つかれば早期に対応できるので、体への負担を最小限にとどめることができます。
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②精密な検査と治療ができる
- 健診やドックなどでよく行われる「胃や大腸の検査」としては胃のレントゲン検査や大腸の便潜血検査などがあります。
- しかし、レントゲン検査は言うなれば「影絵」ですから、直接胃の中を観察する内視鏡検査と比較すると”雲泥の差”があります。
- かなり進行した胃がんであれば、胃のレントゲン検査でも検出可能ですが、早期胃がんとなってくるとそうはいきません。
また、便潜血検査は血が混ざっているかどうかの判定はできますが、当然それ以上のことは分かりません。詳しく調べようとすれば当然内視鏡検査が必要になるのです。
- また内視鏡検査であれば、「生検」という顕微鏡で詳しく調べる検査も可能となります。
- 例えば、食道や胃、小腸、大腸の粘膜に病的な変化や詳しく調べた方が良いような変化を認めた場合は、その部位を特殊な鉗子で採取します。次に採取した消化管の組織を顕微鏡により観察します。(顕微鏡の専門の先生が診ます!)
- 顕微鏡で詳しく診ることにより早期に診断がつけば、早期の治療に繋がります。そして体への負担を最小限にとどめることができるのです。
もう一つメリットとしては、治療もできてしまうということです。
大腸検査ではポリープを認めればその場で治療してしまうことが可能です。
ポリープの多くは、「腺腫」という悪性化の可能性を持ったものが多く、腺腫を切除するということは、”癌の芽”を摘んでしまうことにつながります。
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胃がん、大腸がんについて
- 一昔前までは、癌と言えば大変な病気だと言われていました。しかし、近年は医学的研究が進み、胃がんや大腸がんの原因や対処方法が明らかになりました。研究のおかげで、今や胃がんや大腸がんは、早期発見さえすれば、「治る病気」とされています。胃がんのほとんどは「ピロリ菌」に感染することで引き起こされるとされていますが、自覚症状が少ないため、発見が遅れることがあります。また「ピロリ菌」の関与しない胃がんも少なからずあるのですが、こちらは進行が早く注意が必要です。
- また、早期の大腸がんは症状がほとんどないことが知られており、放置することで進行していきます。
前述の通り、ポリープの段階で ”芽を摘んで” しまえば大腸癌の発症はかなり抑え込むことができます。 - そのため、胃がんや大腸がんの予防には、定期的な胃カメラ検査、大腸カメラ検査の受診が重要となる訳です。
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胃がん・大腸がんの生存率
早期胃がんと早期大腸がんの生存率は90%以上ですが、がんが進行すると生存率は25%以下に低下します。定期的に受診をして、早期発見・早期治療を行うことが重要です。
- 胃がん※ハートライフ病院より引用
- 大腸がん
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まとめ
- 今回のコラムは
『なぜ? 胃カメラ検査・大腸カメラ検査を受診するのか?』 - という点についてお話しいたしました。
「胃がん、大腸がんは自覚症状が少なく、ご自身では気付きにくい病気ではありますが、早期発見をすることで、治る病気でもあります。早期発見や早期に対応するためには、ある程度の
定期的な内視鏡検査が望ましいです。
- 今回のコラムは
- がんだけではなく病気はさまざまにありますが、確実な診断は、適切な治療につながります。
- 適切な治療が豊かな毎日に繋がります。
- 重い病気の否定ができれば、今後の安心に繋がります。
- 早期診断にて、体への負担は最小限にとどめることができます。
- これから胃カメラ検査、大腸カメラ検査を受けてみようと思っている方に、少しでも参考になれば幸いです。
当院では、引き続きみなさまにとって有益な情報を発信できたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。次回のコラムもお楽しみに・・・
✔この記事を書いたひと
✔広崎拓也 小松おなかとおしりのクリニック広崎医院 副院長
日本内科学会 認定内科医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医